問診・視診後に、下表のような検査を行うのが一般的です。
加齢黄斑変性では視力低下が生じますので、他の目の疾患と同様に、視力検査はやはり重要な検査になります。
碁盤の目(方眼紙)のような図を見てもらい、格子のゆがみ具合を調べる検査で、物がゆがんで見えていないかどうかがわかります。
目の奥(眼底)にある網膜(特に黄斑)・血管・視神経の状態をそれぞれ調べます。滲出型加齢黄斑変性では、出血や網膜のむくみなどが見られます。
特殊な光を当てると蛍光を発する性質のある造影剤を腕の静脈から注入し、新生血管などの状態を詳細に調べます。
眼底に近赤外線を当て、その反射波を解析して、層構造をした網膜の断層像を描出し、網膜の状態を調べます。OCTなら、網膜やその下の新生血管などの状態が立体的に把握できます。
萎縮型では治療法がありませんが、滲出型では新生血管の活動性、中心窩との位置関係などによって治療法が変わってきます。
中心窩(黄斑の中心部分で、すり鉢のように窪んでいる)から離れた場所に、活動性の高い新生血管がある場合は、レーザー光線で焼きつぶします。新生血管が消失すれば、出血や血液中の水分の漏れも解消します。しかし、レーザー光線で新生血管を焼きつぶす際には、同時にその周辺の正常組織も焼きつぶされてしまうので、レーザー光線を当てた部分に応じた見えない場所が生じてきます。視力は、中心窩の視細胞の機能によって決定され、通常、出血や漏れ出した水分によって視細胞が損傷されるので、視力は完全には回復しません。治療の目的は視力の維持になります。また、光凝固後1年間は新生血管が再発しやすいので、要注意です。再発した場合は、それが中心窩外であれば、再びレーザー光線を使って治療します。
新生血管が中心窩にある場合に行われる治療法です。光線力学的療法は、腕の血管から注射した薬剤(光感受性物質)が新生血管に多量に入った際に、特殊なレーザー光線を照射する治療法です。新生血管の中に届いた光感受性物質が、光に反応して活性酸素を出します。活性酸素は毒性が強く、新生血管を損傷します。この治療に使うレーザーは熱がほとんど出ないため、中心窩の視細胞が焼けるようなことはありません。ただし、視力が良い人では、視力低下の可能性があるので、通常は視力が0.5くらいまで下がってからこの治療を行います。治療の目的も視力の維持で、3ヶ月に1 回造影検査を行い、新生血管が固まるまで何度か繰り返します。
新生血管の成長を促すVEGF(血管内皮細胞増殖因子)という物質の働きを抑える「VEGF阻害薬」を眼球に注射することで新生血管を縮小させる治療法です。VEGFは糖たんぱくの一種で、血管を新生する働きがあります。滲出型の加齢黄斑変性では、新生血管が脈絡膜から網膜にできてしまい、新生血管が出血を起こすなどして網膜に障害を招きます。この新生血管の成長を止めて、縮小させるのです。1回の治療は1分程度で終了しますが、繰り返し注射を打つ必要があります。なお、新生血管を抑える治療としては上記のPDTがありますが、PDTでは視力が落ちる可能性があるため、視力が0.6以上に保たれているような場合は行われませんので、代わりに抗VEGF療法が選択されることになります。
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